ぜひ知っておきたい猫の習性４選

　猫の習性は多岐にわたりますが、大きく分けて以下の特徴が挙げられます。これらの習性は、野生で単独生活をしていた祖先から受け継いだ本能的なものが多く、現代の飼い猫にも色濃く残っています。

単独行動と縄張り意識

• 単独行動を好む: 犬とは異なり、猫は基本的に群れで行動せず、単独で生活する動物です。そのため、独立心が強く、マイペースで気分屋に見えることがあります。無理強いされることを嫌い、自分のペースを尊重されることを好みます。
• 強い縄張り意識: 自分の安全と獲物を確保するために、縄張り（テリトリー）を持つ習性があります。室内飼いの猫も家の中を自分の縄張りとして認識し、定期的にパトロールを行います。自分の匂いをつけたり（マーキング）、見慣れないものに警戒したり、他の猫が侵入すると怒ったりすることがあります。

狩りの本能と活動時間

• 生粋のハンター: 猫はもともとネズミや小鳥などの小動物を狩る肉食動物（ハンター）です。動くものに敏感に反応し、追いかける習性があります。室内飼いの猫でも、猫じゃらしなどのおもちゃで狩りの「まねごと」をすることで、この本能を満たすことが重要です。
• 薄明薄暮性: 完全な夜行性と思われがちですが、正確には「薄明薄暮性」といって、明け方や夕暮れ時に最も活発に活動します。これは、獲物となる小動物が活動する時間帯と重なるためです。飼い猫の場合、飼い主の生活リズムに合わせて活動パターンが変化することもあります。

環境への適応と安心感の追求

• 高い場所を好む: 木の上やタンスの上など、高い場所を好みます。これは、外敵から身を守り、獲物を見つけやすくするためです。平衡感覚に優れているため、高い場所でも安定して過ごすことができます。
• 狭い場所を好む: 隠れられるような狭い場所も好みます。これは、野生時代に穴ぐらなどで身を守っていた名残と考えられ、猫にとって安心できる空間となります。ダンボールやバッグの中に入りたがるのもこの習性のためです。
• きれい好き: 自身の排泄物を隠す習性があり、砂の上で排泄することからトイレを覚えるのが比較的早いです。

特徴的な行動

• 「ふみふみ」: 飼い主のお腹や毛布などを前足で交互に踏むような動きをすることがあります。これは子猫が母乳を飲む際に行う行動の名残とされており、安心している時や甘えたい時に見られます。
• マーキング行動: 飼い主の足元にスリスリと体をこすりつけたり、爪とぎをしたりするのも、自分の匂いをつけて「これは自分のものだ」と主張するマーキング行動の一つです。
• 鳴き声でのコミュニケーション: 猫同士では匂いや体の動きでコミュニケーションを取ることが多いですが、人間に対しては「ニャー」という鳴き声で要求を伝えることが多いです。

　これらの習性を理解することで、猫の行動の意図を把握し、より快適で幸せな生活を猫に提供することができます。